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理系の大学院生。ディープラーニング初心者。

「『ONE PIECE』に学ぶ 最強ビジネスチームの作り方」は最強のONE PIECE本である

最近読んだ「『ONE PIECE』に学ぶ 最強ビジネスチームの作り方」がとても面白かった。実は僕は大のONE PIECE好きで、幼稚園の時から漫画を読み始めかれこれ20年近くONE PIECEのお世話になっている。そのため、コンビニに並ぶONE PIECEの考察本なんかはいやでも目に入ってしまう。今まで数々のONE PIECE本を目にしてきたが、そのほとんどがクソであるしかし、今回読んだ「『ONE PIECE』に学ぶ 最強ビジネスチームの作り方」はその他のワンピ本とは一線を画すとても素晴らしい本であったので感想を書こうと思う。

 

「ヤンキー」と「オタク」

ざっくりと内容の説明をすると、「最強ビジネスチームの作り方」では「ヤンキー」と「オタク」の二つの視点からONE PIECEを読み解いている。

「ヤンキー」とは仲間との絆や根性を大切にし帰属する組織を大切にする人のことを指す。いわゆる、マイルドヤンキー的な性質のことで、これは日本固有のローカルなタテ社会的な考え方である。作中のキャラクターではルフィ、サンジ、ナミなどが当てはまる。

一方「オタク」とは自分の関心が行動原理であり、情よりも理屈を優先する人のことである。インターネットが同じ関心を持つ仲間と繋がることを可能にした結果、オタク的な人間は数を増やしている。作中ではゾロ、ウソップ、ロビンが当てはまるとされている。(個人的にはウソップはヤンキーではないかと思ったが、、)

 

この二つの視点によってONE PIECEは新しい視点によって読み解かれる。まず、数々の名場面でルフィが叫ぶ「仲間との絆」や「海賊の誇り」は、「ヤンキー」的価値観を持つ人々の心を打つ。一方で広い世界観や複雑な伏線は「オタク」を考察へ導く。このように「ヤンキー」と「オタク」の二つの人種を満足させることにONE PIECEは成功しているのである。

「最強ビジネスチームの作り方」凄さはこの二つの視点を提案したことである。ちなみに本の後半では「ヤンキー」と「オタク」によって組織をどう作っていけば良いかが論じられている。

 

「最強ビジネスチームの作り方」は従来のワンピ本の一段階上をいく存在

本屋に並ぶ「ワンピ本」は二つの視点のうち一つの視点からしか書かれていないのが常である。例えばいわゆる「考察本」は「オタク」的な視点で書かれているし、「名言集」やその他のビジネス本は「ヤンキー」的な価値観を称賛することに終始している。

つまり、「最強ビジネスチームの作り方」はそれらの本より一段階上の視点を提示した画期的な内容となっている。

 

「最強ビジネスチーム」の元ネタは「タテ社会の人間関係」

ちなみに、「最強ビジネスチームの作り方」の下敷きになっているのは「タテ社会の人間関係(中根千枝)」というこれまたベストセラーの本である。(日本社会を語る上での古典と言えるほどの名著。)著作では、日本の支配的な価値観である「タテ社会」的な性質について解説していて、日本の社会を理解する上では欠かせない視点を提示している。

しかし前述したようにインターネットの普及ともに広がる「オタク」的な価値観を知ることはとても大切なことだと思う。会社などの組織に属する上で両者の価値観の違いを理解し、両方の関係を調整する必要に迫られることは必然であるからだ。

「最強ビジネスチームの作り方」はヤンキーとオタクが入り混じる組織のリーダーとしての心構えや振る舞い方を提案する。作中では「フラグセッター」と呼ばれているがその説明については是非著書を読んで知っていただけたらと思う。

個人的には「ヤンキー」と「オタク」という新たな視点を手に入れられて良かったと思う。自分の属する組織を考えるのに非常に役に立っているし、何より新しい視点で物事を考えるのは楽しいからである。